ピストルズ やがて哀しき独り言

東京・恵比寿で広告・Webプランニング・開発・制作会社を経営する3年目経営者の悲哀を語っていきます。 弊社URL→ http://www.pistil-pistol.co.jp

Forever Young

中学時代の旧友と地元の酒場で飲んだ。毎年のように同窓会的な催しが開催されているし、数十年ぶりの再会ではなく半年ぶりの再会なわけで、お互い年取ったな~とか、偉くなったな~とか、おまえもうすぐ死ぬんじゃない?的な感慨深い思いがあるわけではないが、定期的に旧友と会うというのはいいことかもしれない。

T君は中学と大学が同級で、中学時代はともに陸上部、大学時代はともに一浪して教育学部。腐れ縁の仲として付き合いは20年以上になる。中学の陸上部に入って彼に出会うことになるわけだが、そもそも僕が陸上部を選択したのは、初恋の女の子が陸上部に入ったからというだけの理由だった。だから当初同級の男子には何の興味もなかったわけで、T君に対しても、ただ肌が黒く目がギラギラしてる奴という印象だけで、基本的に相手にしていなかったわけだ。

で、初恋の相手は(面食いの僕らしく)学校のアイドル的存在の美人。僕のイメージでは、(かなり遠い記憶だが)松雪泰子のデビューした頃の雰囲気に近かったと思う。赤面症で彼女の顔すらまともに見ることもできなかった僕は、授業中(同じクラスだった)後ろから彼女の背中を見つめたり、部活中に横目で彼女の走る姿を盗み見るという、文章にすると、かなり根暗で危険な匂いのするオナニー少年みたいだ。でもそうだったのだからしかたない。

なので、どうやったら彼女に少しでも近づけるかばかりを考えていて、と同時に純粋な彼女に変な虫がつかないように見張り役も買ってでなければならないという責任感にも燃えて、とにかく注目される存在になるための試行錯誤を繰り返す日々だった。

注目されるには何といっても部活での活躍である。僕は100M200Mという短距離が専門種目だったので、大会で優勝することが一番注目される要因になる。そのためにはとにかく練習するしかないのだが、元来走ることが好きではない僕は、暇があったら横目で彼女の走る姿を盗み見しなければならないし、横からT君などに「おまえ、いまあいつのこと見てただろ」と言われればすぐさま「てめえこの野郎ふざけんなよ。スパイクの踏み込み方が甘いなって観察してたんだ、わかるかこのボンクラ」などと返す準備もしておかなければならない。さらには新体操部の女の子たちのところに行って一緒に玉回しとかリボンで女の子をグルグル巻きにしなければいけない任務があったりしたので、まともに練習している時間がとれないわけだ。挙句の果てには部長になっておきながら、朝練への遅刻率がナンバーワンとなり部長をクビになるという失態も犯してしまい、あらゆる失敗を重ねたまま卒業することになってしまった。

結局彼女の注目を一身に集めることの出来なかった僕は、その後いかに注目を集めるかばかりを考える人間になってしまった。

この当時の経験がいまの仕事に活きている、そう信じていくしかない。

Forever Young. あの頃のまま、ずっとこれからも。

※T君とY君の話がどこか行ってしまった。まあいいけど。