ピストルズ やがて哀しき独り言

東京・恵比寿で広告・Webプランニング・開発・制作会社を経営する3年目経営者の悲哀を語っていきます。 弊社URL→ http://www.pistil-pistol.co.jp

冤罪 ~Endless Forever Young~

前回の記事が良かったというお返事をいくつか頂いたので、中学時代の思い出を引き続き(調子に乗って)書いてみたい。

先日のプチ同窓会に来ていたもう一人の友人Y君は小学3年からの付き合いだ。彼は僕が小学校から自宅に帰るとすでにうちにいて、一人でスーパーマリオをやっているというとんでもないガキであったのだが、彼は真性ドM男だったため(いまもドMだが)王様ごっこという遊びをやっていて、僕が10円玉をわたし、「ガリガリ君買ってきて」というとちゃんと買ってきてくれるという、軽くパシリ的な遊びを行っていた。

そのY君はいろいろな事情があって当時おじいちゃんおばあちゃんと暮らしており、彼の家の彼の部屋は相当なことがない限り誰も入ってこないという、安全地帯であった。そこで僕らは人生はじめてのエロ本購入の隠し場所としてそこを選び、A君(最近どうしているのだろうか)がお金を出し、僕がレジでエロ本を買い、Y君が自宅にエロ本を隠すという、小学生とは思えない鋭い知恵を絞り、三段論法的(?)なプロジェクトに取り組んだものだ。そしてこれが全くもって想定通りに事が運び、小学校を卒業するまでに、ザ・ベスト、でらべっぴんなど実に7冊の珠玉のエロ本たちを隠すことに成功した。

時が経ち、中学校でもY君と同じクラスになった僕は、既にエロ本隠し&エロ探索への欲望もひと段落して、この秘密をクラス中に暴きたくて仕方がなくなっていた。なのでクラスのホームルームの時間に突如立ち上がり、「Yがエロ本を自宅に7冊も隠し持っているぞ!」と叫んだのだった。怒ったのは担任の先生(女)である。顔を紅潮させた担任はY君の席の前に立ちはだかり、「全部没収しますので、明日すべてのエロ本を持ってきなさい!」とY君を恫喝したのだ。

翌日、素直にもそのすべてのエロ本を学校に持ってきたY君は、朝のホームルームが始まる前に、教室内の担任の机の上にその7冊をきれいに並べておいた。教室に入ってきた担任がそのきれいに陳列されたエロ本7冊を見た瞬間、紅潮した顔をさらに紅潮させ、まさに紅潮先生となったその女史は、「ほんとに持ってくるバカがどこにいるんだ!」と怒りをぶちまけ、おまけにそれを買っていた張本人が僕であることもばれ、それ以来僕ら2人はエロ本兄弟としてのレッテルを貼られることになった。

そのせいで、その後、部室などを見回る役の先生が、陸上部の部室に2冊のエロ本が隠されている事実を見つけ、(本当は僕の先輩が隠していたのだが)その瞬間、犯人はエロ本兄弟の山宮に違いないという無根拠な信念に基づいて、僕を教頭室に連行した。その処刑場で、僕は2時間弱その見回り先生と教頭先生に説教されることになる。ただしこれは冤罪である。勿論僕は「そんなこと身に覚えがない」と抵抗しつづけたのだが、ふと教頭先生が「もしこの本に出ている女性がきみのお母さんだったらどういう気持ちだ?」などと言いだし、さすがに面食らってしまった純粋な僕は、「ごめんなさい」と即座に陥落してしまった。刑事が狙ったホシを落とすというやり口にすっかりはまる格好となってしまった。

その後僕は冤罪であるに関わらず、校長先生に謝り、担任の先生に謝り、部活の顧問と部長に謝り、更には教室でみんなの前で謝るという恥をさらす羽目になったのだ。冤罪だというのに!もちろんその教室には僕の初恋の子もいたわけである。

その後、会社に入ってからも、なにか問題があるとすぐに疑われるというブランディングがなされていくことになるのだが、その原点はこの中学1年にあることは間違いないだろう。

Forever Young. いつまでたってもそこから抜け出せない僕がいる。