ピストルズ やがて哀しき独り言

東京・恵比寿で広告・Webプランニング・開発・制作会社を経営する3年目経営者の悲哀を語っていきます。 弊社URL→ http://www.pistil-pistol.co.jp

若者に一言申し上げる。

毎年この時期になると、大量の企画書を作りまくらなくてはならない。弊社事務所は蒸し暑く、寝っ転がっていても息が詰まるような密閉された構造になっているおかげで、どうにも集中できる環境とは言い難く、ついついYouTubeなりWikipediaなり日ピン研などを回遊してしまいがちになるため、ほぼ毎日夕方になると事務所に唾を吐き捨て、ファミレスなりスタバなりに仕事場を移すことにしている。ほとんどノマドワーカーみたいなもので、ジプシーのような悲しい気持ちになるのだが、背に腹は代えられぬ、本日はスフレパンケーキで有名な星乃珈琲店で企画書を1本書き上げることに成功した。

一息つくと、悲しいかな、僕の席の周囲はすべてカップルに囲まれており、僕に逃げ場なし、みじめな気持ちになるのだ。オセロで言えば周辺を全て黒に囲まれ、ただ1つ残された白に何ができると言うのだ!

ということで、隣の席のカップルの話に耳を傾けることにする。とは思ったものの、この大学生カップルらしき二人組、それぞれが自身のスマホゲームに夢中で、会話どころか表情さえこちらからは見受けられない。

おう、それでいいのか若者よ!大学と言う色恋沙汰以外には何の実りも得られない社会に属しておきながら、スマホ画面とにらめっこする時間の何が青春だ!僕が大学生だったら、彼女のスマホなど叩き割って、ずっと彼女の瞳を見つめることだろう。彼女に、ずっと見ないでよキモイんだけど、などと言われようとも、バカタレこの小娘!美しいものをずっと見ていたいと思うナイーブな男心が貴様に分かってたまるか!この俺の瞳をじっと見ろ、俺の心の奥底にあるものを思いしれ!と怒鳴りつけてやるだろう。そして仮に彼女から、あんたいまヤリたいと思ってるんでしょ、なぞと軽蔑のまなざしを向けられようとも怯むことなく言うだろう。ああそうだ!そのためだけに生きているんだからな!どうだ末恐ろしいだろう、わっはっはっはっは!と笑い飛ばすことだろう。

と、自分自身の中で意味のないシミュレーションが始まってしまい、もう一枚企画書を書き上げるどころではなくなってしまった。激しい自己嫌悪。激しい絶望感。こんなことでこの先やっていけるのだろうかと、不安に苛まれる結果となった。ほんとに自分が情けなくなる。まあいいんだけど。