ピストルズ やがて哀しき独り言

東京・恵比寿で広告・Webプランニング・開発・制作会社を経営する3年目経営者の悲哀を語っていきます。 弊社URL→ http://www.pistil-pistol.co.jp

超えられないPV数と、悶々とする僕。

f:id:koichi_yamamiya:20150521180411j:plain

月に10回は更新しようと決意して始めた「やがて哀しき独り言」ですが、意外と書くネタがなく困っています。日々ネタを探しながら、電車内では女子大生とか若いOLさんとかのヒソヒソ話に耳を傾け、タクシーの中では運転手の白髪の数を1本1本数え、コンビニでは部活帰りの丸坊主の高校生が立ち読みしているヤンマガのグラビアを盗み見したりしています。

それでも超えられない「アイコ、永遠の18歳」のPV数。僕個人の人間的なつまらなさ、度を超える小心者っぷり、誰も振り返らないモテなさっぷりを露呈しているだけの状態になっているわけですが、人気者アイコ、永遠の18歳に便乗して、彼女の名刺が出来上がったことだけはご報告いたします。

ただそれだけの内容です。こんな僕を、誰か始末してください。。。

こたつクリエイティブの危機。

以前のブログにも書いたように、ピストルズのコミュニケーションスタイルの基本はこたつです。でもね、それは秋冬の話。一年中こたつの中で打ち合わせだとか社員総会だとか相席屋で知り合ったOLとおしくらまんじゅうだとかしているわけではありません。いくらなんでもそれじゃあただの馬鹿なわけです。

僕「おい祐太、今日はやけに暑くないか?」

林「代表!それは気温が28度もあるのにこたつでミーティングしてるからじゃないですかっ!」

僕「おい小僧!ピストルズの基本理念を忘れたか!?」

林「とんでもごさいませんっ!ですが代表!こたつにかけているこの蒲団を剥いで、スイッチを切ればいいんじゃないでしょうか!」

相棒の積極的かつ建設的な意見を広い心で採用することにしました。

これより秋くらいまでは、弊社の基本スタンスは、ちゃぶ台クリエイティブです。

ピストルズ from EXILE TRIBE への道

f:id:koichi_yamamiya:20150518231048j:plain

2013年9月から始めたジム通い&ジョギングによって、いよいよ僕の体脂肪率は12%台へ突入した。これは僕史上おそらく未曾有の事態である。筋肉量を落とさずに脂肪だけを落とすという、麻生元総理の言葉を借りれば、<みぞうゆう>の挑戦だった。

そもそもジョギングを始めたきっかけは、独立した直後に会った先輩経営者の言葉に触発されたからだ。

僕「経営者として走り続けるための秘訣はなんでしょう?」

先輩「簡単だよ。何だかわからないか?」

僕「・・・」

先輩「ジョギングだよっ!!」

実に明快で、極めて論理的な先輩の説明に視界が開けた僕は、大きくなりすぎた体と相談すること数か月、一大決心でジム通い&ジョギングを始めたのだ。昨年5月からNIKE+で計測を始めた走行距離は2200kmを越え、計測をしていなかった前の8か月間を合わせると、軽く見積もって優に3000kmを越えている。

この2年近くのジム通い&ジョギングにおいての最大の問題は、どうやってモチベーションを維持するかである。会社員時代、「モチベーションよりマスターベーション」を声高に叫ぼうと後輩達に強要していた僕にとって、これは極めて難しいテーマであった。はじめは当時体重が76キロもあったので、70キロを切るという簡単なテーマから始めた。これは4か月くらいで簡単にクリアしてしまった。次のテーマは体脂肪率を36歳男性平均値を下回るというもの。食事量を減らし、ジョギングの距離を伸ばすことで、数か月後にはさらっとクリアできた。ここではっきり言っておくが、ライザップなど金にモノを言わせなくても、案外肉体づくりは簡単にできるものだ。

さて、問題はこの後である。日に日に肉体が美しくなっていく一方で、走り続ける意味を失いかけている自分に気づくことになる。ジムで働く健康美のお姉さん達と会えるだけでも意味があるじゃないか!などと言い聞かせてはみるものの、もはやマスターベーションの材料になるわけでもない。もうその頃には、経営者として走り続けるためのジョギングという理屈もどうやらおかしいぞと感じ始めていたし、いったい何が僕を突き動かすのかさえ見えなくなっていた。

そんなある日、テレビを見た。そこに映っていたのが関口メンディーである。最初はM.C.ハマーのモノマネ芸人かと思ったのだが、どうやらあのEXILEのメンバーとのこと。そして彼はインタビューにこのように答えていたのだ。

EXILEでは体脂肪率が10%以上あるとデブって言われるんですよっ!」

なんと!僕はデブなのか(その頃は体脂肪率が15%前後だったと記憶している)。でも待てよ。裏を返せば体脂肪率10%を切れば、それはEXILEのメンバーになる資格が十分にあるということではないか?いやいや待てよ、僕はとてもダンスなんて器用なマネはできないし、あんないかついサングラスで妙に女々しいボーカルなんてムリムリ。それに何の演技経験もなくドラマの主役で大根役者っぷりを全国津々浦々に晒すなんていう男らしいマネだってできっこない。いやいやいや更に待てよ、でもHIROみたいにオスカー事務所に所属の武井咲とも付き合える可能性もあるわけだよな。それに社長がEXILEだったら、ピストルズの売り上げも大変なことになるぞ。。。それに最近ではEXILE事務所のグループには「from EXILE TRIBE」というタグラインも付けてくれるそうではないか!とんでもないこと、<みぞうゆう>の事態だぞっ!

ということで、僕の今のモチベーションは体脂肪率10%を切り、EXILEに加入。しかも会社名を「Pistil & Pistol Inc. from EXILE TRIBE」に変更することだ。

住宅展示場からの刺客

ゴールデンウィークの住宅展示場巡りから1週間あまり経ち、いよいよ各社刺客を送り込んできた。もちろんそんな事百も承知の僕は、顧問税理士などに相談し彼らの爆撃に備え返り討ちにする準備は万端だ。

まず先陣をきって攻撃を仕掛けて来たのはS社である。家づくりプランニングブックなるものを既に送りつけて来ていた営業マンは、僕のその返送の速さに気を良くしていたのだろう。返送からわずか2日で建築プランニングが完成したと連絡を入れてきたのである。僕が記入し返送したプランニングブックが恐ろしく曖昧に書かれているにも関わらず!僕が記入したのは、いわばオリエンテーションである。もしも僕があんなに曖昧なオリエンテーションを受けたとしたら、迷わず「きみねえ、仕事に対する本気度はあるのかねっ!え?え?え?」と小一時間は詰問したくなるレベルの代物だ。それでいったい何をプランニングしたというのだろう。僕は迷わず、では土曜日お待ちしていますと、答えた。

そして今日である。浅草三社祭に出掛け、かなりヘトヘトになっていた僕のところへ、その中年営業マンはやって来たのである。彼が提示したプラン書を見て、僕は目を疑う事になった。敷地55坪の土地に3階建てを建て、そのうち一階部分の一部と2階全てを賃貸にするというのだ。しかも自社で30年一括借り上げまでを提案してきた。

僕が書いたオリエンは2階建てであり、かつ一階部分の一部を貸し店舗にするというものだ。まるで違うではないか!この男、僕のひっかけオリエンテーションに見向きもせず、建設予定地の面積や周辺環境の調査のみで設計したのではあるまいか?だとするとひっかけようという戦略で僕が返送したプランニングブック自体見ていないのではないか?僕の先制奇襲攻撃は通用しなかったということだ。僕は目の前が真っ暗になり、彼奴の術中に陥れられていく、まるで深い井戸の底に落ち込んでいくような絶望と快感に身をまかせるしかなかった。

しかし僕にはまだ逆転のチャンスがある。30年一括借り上げという名目の落とし穴だ。周辺の家賃相場に合わせて借り上げ額が毎年下がっていくという罠だ。

僕は渾身の力を込めて、「30年一括借り上げでしかも未入居時は家賃額を御社が負担すると言ってるけれどもねぇ、相場より家賃を下げてでも入居者を入れるつもりだろう。オーナーであるわたしには家賃設定の権限がないようじゃないか!!」などと根掘り葉掘り税理士から聞いていたシステムの脆弱性を突きつけてやったのだ。顔色を変え、這う這うの体で逃げ帰っていった営業マンの背中には、相手を無知だと思い込んでしまった己への怒りが見え隠れしていた。

今回の勝負は、僕の勝ちだ。

冤罪 ~Endless Forever Young~

前回の記事が良かったというお返事をいくつか頂いたので、中学時代の思い出を引き続き(調子に乗って)書いてみたい。

先日のプチ同窓会に来ていたもう一人の友人Y君は小学3年からの付き合いだ。彼は僕が小学校から自宅に帰るとすでにうちにいて、一人でスーパーマリオをやっているというとんでもないガキであったのだが、彼は真性ドM男だったため(いまもドMだが)王様ごっこという遊びをやっていて、僕が10円玉をわたし、「ガリガリ君買ってきて」というとちゃんと買ってきてくれるという、軽くパシリ的な遊びを行っていた。

そのY君はいろいろな事情があって当時おじいちゃんおばあちゃんと暮らしており、彼の家の彼の部屋は相当なことがない限り誰も入ってこないという、安全地帯であった。そこで僕らは人生はじめてのエロ本購入の隠し場所としてそこを選び、A君(最近どうしているのだろうか)がお金を出し、僕がレジでエロ本を買い、Y君が自宅にエロ本を隠すという、小学生とは思えない鋭い知恵を絞り、三段論法的(?)なプロジェクトに取り組んだものだ。そしてこれが全くもって想定通りに事が運び、小学校を卒業するまでに、ザ・ベスト、でらべっぴんなど実に7冊の珠玉のエロ本たちを隠すことに成功した。

時が経ち、中学校でもY君と同じクラスになった僕は、既にエロ本隠し&エロ探索への欲望もひと段落して、この秘密をクラス中に暴きたくて仕方がなくなっていた。なのでクラスのホームルームの時間に突如立ち上がり、「Yがエロ本を自宅に7冊も隠し持っているぞ!」と叫んだのだった。怒ったのは担任の先生(女)である。顔を紅潮させた担任はY君の席の前に立ちはだかり、「全部没収しますので、明日すべてのエロ本を持ってきなさい!」とY君を恫喝したのだ。

翌日、素直にもそのすべてのエロ本を学校に持ってきたY君は、朝のホームルームが始まる前に、教室内の担任の机の上にその7冊をきれいに並べておいた。教室に入ってきた担任がそのきれいに陳列されたエロ本7冊を見た瞬間、紅潮した顔をさらに紅潮させ、まさに紅潮先生となったその女史は、「ほんとに持ってくるバカがどこにいるんだ!」と怒りをぶちまけ、おまけにそれを買っていた張本人が僕であることもばれ、それ以来僕ら2人はエロ本兄弟としてのレッテルを貼られることになった。

そのせいで、その後、部室などを見回る役の先生が、陸上部の部室に2冊のエロ本が隠されている事実を見つけ、(本当は僕の先輩が隠していたのだが)その瞬間、犯人はエロ本兄弟の山宮に違いないという無根拠な信念に基づいて、僕を教頭室に連行した。その処刑場で、僕は2時間弱その見回り先生と教頭先生に説教されることになる。ただしこれは冤罪である。勿論僕は「そんなこと身に覚えがない」と抵抗しつづけたのだが、ふと教頭先生が「もしこの本に出ている女性がきみのお母さんだったらどういう気持ちだ?」などと言いだし、さすがに面食らってしまった純粋な僕は、「ごめんなさい」と即座に陥落してしまった。刑事が狙ったホシを落とすというやり口にすっかりはまる格好となってしまった。

その後僕は冤罪であるに関わらず、校長先生に謝り、担任の先生に謝り、部活の顧問と部長に謝り、更には教室でみんなの前で謝るという恥をさらす羽目になったのだ。冤罪だというのに!もちろんその教室には僕の初恋の子もいたわけである。

その後、会社に入ってからも、なにか問題があるとすぐに疑われるというブランディングがなされていくことになるのだが、その原点はこの中学1年にあることは間違いないだろう。

Forever Young. いつまでたってもそこから抜け出せない僕がいる。

Forever Young

中学時代の旧友と地元の酒場で飲んだ。毎年のように同窓会的な催しが開催されているし、数十年ぶりの再会ではなく半年ぶりの再会なわけで、お互い年取ったな~とか、偉くなったな~とか、おまえもうすぐ死ぬんじゃない?的な感慨深い思いがあるわけではないが、定期的に旧友と会うというのはいいことかもしれない。

T君は中学と大学が同級で、中学時代はともに陸上部、大学時代はともに一浪して教育学部。腐れ縁の仲として付き合いは20年以上になる。中学の陸上部に入って彼に出会うことになるわけだが、そもそも僕が陸上部を選択したのは、初恋の女の子が陸上部に入ったからというだけの理由だった。だから当初同級の男子には何の興味もなかったわけで、T君に対しても、ただ肌が黒く目がギラギラしてる奴という印象だけで、基本的に相手にしていなかったわけだ。

で、初恋の相手は(面食いの僕らしく)学校のアイドル的存在の美人。僕のイメージでは、(かなり遠い記憶だが)松雪泰子のデビューした頃の雰囲気に近かったと思う。赤面症で彼女の顔すらまともに見ることもできなかった僕は、授業中(同じクラスだった)後ろから彼女の背中を見つめたり、部活中に横目で彼女の走る姿を盗み見るという、文章にすると、かなり根暗で危険な匂いのするオナニー少年みたいだ。でもそうだったのだからしかたない。

なので、どうやったら彼女に少しでも近づけるかばかりを考えていて、と同時に純粋な彼女に変な虫がつかないように見張り役も買ってでなければならないという責任感にも燃えて、とにかく注目される存在になるための試行錯誤を繰り返す日々だった。

注目されるには何といっても部活での活躍である。僕は100M200Mという短距離が専門種目だったので、大会で優勝することが一番注目される要因になる。そのためにはとにかく練習するしかないのだが、元来走ることが好きではない僕は、暇があったら横目で彼女の走る姿を盗み見しなければならないし、横からT君などに「おまえ、いまあいつのこと見てただろ」と言われればすぐさま「てめえこの野郎ふざけんなよ。スパイクの踏み込み方が甘いなって観察してたんだ、わかるかこのボンクラ」などと返す準備もしておかなければならない。さらには新体操部の女の子たちのところに行って一緒に玉回しとかリボンで女の子をグルグル巻きにしなければいけない任務があったりしたので、まともに練習している時間がとれないわけだ。挙句の果てには部長になっておきながら、朝練への遅刻率がナンバーワンとなり部長をクビになるという失態も犯してしまい、あらゆる失敗を重ねたまま卒業することになってしまった。

結局彼女の注目を一身に集めることの出来なかった僕は、その後いかに注目を集めるかばかりを考える人間になってしまった。

この当時の経験がいまの仕事に活きている、そう信じていくしかない。

Forever Young. あの頃のまま、ずっとこれからも。

※T君とY君の話がどこか行ってしまった。まあいいけど。

続・住宅展示場にて、学ぶ。

今日もまた、住宅展示場に見学に行った。

ゴールデンウィーク、これで3度目の訪問。朝から晩まで各社モデルハウスの前で、呼び込み係の新人らしき営業さんたちの立ち尽くす姿が気の毒になってくる。とはいえ、こちらも遊び半分本気半分で来ているわけで、彼ら彼女らの必死さに感化されている場合ではない。刺すか刺されるかの、極めて緊張した状況がつづく。

P社の営業さんは30代後半くらい、僕と同年代っぽい男性だ。ここの特徴はモデルハウスの豪華さで来場者を圧倒するような見かけ倒しの造りではなく、狭小地にもとことん対応できます!と言わんばかりの20坪弱の敷地面積に狭小3階建て。ほうほう、こちらの懐状況を分かってるじゃないか!と、ついついモデルハウスの中に流されるように入ってしまった。ところがその営業マンと会話してすぐに気が付いたのだが、彼はそのリアリティ溢れるモデルハウスをいかにも私たちは分かっています、あなた方がそんなにお金もなくて土地も狭くて、それでも注文住宅を建てたがっている立場をわきまえないわがまま共だということを!といった雰囲気を醸し出しているのだ。狭小地を前提とした話をし始めた彼に対し、日ごろ大したことでは腹を立てない昼行燈的な僕でさえも我慢がならずに、「実家の土地はねえ、JRの駅から徒歩3分で敷地も50坪以上あるんだよ。見損なってもらっては困るのだよ、ええ?」と軽く恫喝し、すぐさまそこを後にした。

もう一軒の方のP社は30歳前後のゆるキャラっぽい人相の青年。鉄骨・木造の違い、店舗を併用した場合の間取りの組み方などを懇切丁寧に説明してくれる。滑らかな口調と、会社内でもいよいよ部下を持ち前途洋々な未来を手にしかけている印象で、聞いているこちらも非常に印象がよい。長時間話を聞くことになってしまい、その間コーラだ、アイスコーヒーだ、ジャスミンティーだと何度も飲物を運んでくれて、「接客というのは相手の状況をきちんと見ながら進めるべきだよな、ふむふむ」などと僕も勉強させてもらった。思わず敷地調査や周辺環境調査まで依頼してそこを後にしたのだが、飲物を飲み過ぎたせいかお腹がかなりゆるくなってしまって、次に訪れようと思っていたM社の前を素通りして、一目散にトイレに向かうことに。TOTO製の便器に座り込みながら、待てよ、あのドリンク作戦、実は他社に足を向かわせないようにするためにあれだけの飲物を僕の胃に流し込んだのではあるまいか?だとすると、あの男、爽やかな印象の裏には極めて悪質な本意があったのではあるまいか?と、すぐに人を信用してしまう自分への腹立ちと共に憎悪に燃える結果となった。

お腹の調子が回復して向かったT社のモデルハウス。かなり太った中年の男性営業につかまり県内産の木材にこだわった軸組工法の自慢話を聞く羽目になったのだが、この男、実に汗臭い。工法の話は実にためになるものなので近づいて詳しく話を聞きたいのだが、その臭いがあと一歩踏み込むことを僕に躊躇させる。身だしなみの重要さを教えてくれただけでも来た甲斐があったと思わせてくれる営業さんだった。

さて、このゴールデンウィークにおける3回もの住宅展示場訪問で分かったことは、いかに相手の状況を見極めて話すべきこと話さざるべきことを瞬時に判断しなくてはいけないかということだ。お客さんの考えがまだまだ不完全な状態で、言いたいことを言い切ってしまおうとするのは、相手を疲弊させ、苛立たせるだけだ。一方で、お客さんも何を話していいかよく分かってない状況で質問攻めすることもナンセンス。押して引いてのバランスが実に難しい。

僕は前職での12年間、一度たりとも営業をしたことがない。BtoBとBtoCの違いはあるにせよ、相対するお客様の心理状況や置かれた立場まで配慮して交渉するのは本当に難しいことだ。

さて、この経験を今後どう活かしていくかだ。まずは営業ツールのメインとなる自社サイトとプロジェクト事例をきちんと構築し直さねば。

住宅展示場にて、学ぶ。

今年のゴールデンウィークは住宅展示場めぐりをしている。

はっきり言ってしまえば、住宅展示場のモデルハウスはどこも70~100坪くらいある大きな敷地にフルスペックの住宅を建てているので、基本的にモデルハウスを見学したところで実際の住宅建築計画にはほぼ参考にならない。モデルハウスに憧れてハウスメーカーを決定したところで、実際の土地の広さを踏まえた間取り提案を受けた途端に、自分が建てようとしている家のささやかさに愕然とすることもしばしばだ。

なので、各社のモデルハウスはできるだけすぐに記憶から消すことにして、各社が気合を入れて用意してくれているマネケンベルギーワッフルやニューヨーク・ファーマシーの焼き菓子などをせっせと回収して廻るわけだが、別に僕はお菓子欲しさに住宅展示場に来ているわけではない。

では、なにゆえ住宅展示場を廻るのかというと、各社の営業さんのトークを聞きに来ているわけだ。

A社の24歳の営業くんは、必死に覚えた営業トークをフルスロットルで喋り倒す。優れた制震性、狭小地に強い設計、二世帯住宅に精通した歴史などを、嫌味な程若々しく汗臭い唾を吐き散らしながら、こちらを圧倒してくる。その蒸し暑さにこちらまでイライラし始め、100年住宅について自慢げに語り始めたところで、僕の我慢も限界に達し、一言「100年住宅だ?100年経ってから語れや」と釘を刺しておいた。

T社の26歳の営業さんは、唇の右端にある黒光りした黒子が「はいからさんが通る」や「パンドラの恋人」を歌っていた頃の南野陽子を彷彿とさせ、眩しい。彼女は完全受け身型の営業さんで、笑顔を絶やすことなく、こちらの理想とする住宅像を聞いている。こちらが「いますぐそのパンストを脱いで自分で被ってみてください」と言えば、それでも笑顔で被ってくれそうな様相を呈している。僕もそのキュートさに思わずあることないこと喋ってしまったのだが、いずれ疲弊してしまい、「あなたねぇ、お客様苦情受付センターじゃないんだから、何かしら自分のアイデアとか語ったらどうなんだね、え?事務所の言いなりになっている操り人形型の80年代アイドル風は止めにしたらどうかね!」と、完全にウザい客としての振る舞いを自分に鞭打ってしておいた。

M社の40代の営業さん(この年代になると敢えて年齢は問わない)は、後退した額がこの仕事のツラさを象徴するかのように、落ち着いた佇まいで頭頂からしたたる汗をふきふき、こちらの敷地面積の広さ、土地の周辺環境、賃貸併用住宅のメリット・デメリット、資金計画などをやんわりと聞いてくる。非常に親身になって相談に乗ってくれている風で、思わずぽろぽろと本音をこぼす僕をいいカモと思ったのだろうか。その眼だけは獲物を狙うハゲタカのよう。終いにはこちらの自宅訪問のアポイントまで取り始め、完全に丸裸にされそうになっていることに気が付いた僕は、「そんなに毛が欲しいなら、私のギャランドゥなら差し出す覚悟はございます」と這う這うの体で逃げてきた。

ところでなぜこんなことをしているのかと言うと、弊社ピストルズはこれまでご紹介と既存クライアントとのお付き合いだけで経営を持続してきたわけで、さすがにこれ以上会社を拡大しようと思ったら、きちんと営業をすることも考えなければいけないと考えたからです。

住宅展示場は非常に営業を勉強できる場所。競合各社がひしめき合って客の取り合いをするという「血で血を洗う戦場」なのです。各社の営業マンが目を光らせて、金になりそうな客を狙っているという、こちら側からすれば極めて恐ろしい処刑場のようなもの。少しでもこちらの怯えた気持ちを酌んでくれる営業さんに丸裸にされたい。そんな気分にさせられます。つまり、いい営業・鼻につく営業を肌で学べるわけです。

僕も、まるで競りにかけられる牛のよう。ドナドナ状態。胸の鼓動、いまだ冷めやらず。

もう一度。

いま、ピストルズが進むべき方向性について再考している。会社を立ち上げた2年前に抱いていた思いをもう一度紐解きながら、がっちりとしたビジョンを練りなおしたいと真剣に思っている。

世の中はゴールデンウィークだ。僕がいまこの文章を書いているファミレスには、若いカップルや仲間同士、みんな更けゆく時間を精一杯に楽しんでいる。こんな季節に、こんな場所で、ひとりうじうじと自分と向き合っている僕。見渡す限り10代と20代の暑苦しいまでの若さに囲まれて、なかなかやめられない煙草を吹かしている。

たった2年だ。たった2年で、僕は多くのものを得て、多くのものを失ったのか。会社をつくって自分の意志のまま仕事をしようと願った、あのころの純粋な心はまだ自分の中にあるのだろうか。ただ日々の忙しさに身をゆだねて、その日その日をただがむしゃらに生きていただけではないのか。予想していた以上の儲けがでればただ喜び、思ったように仕事がこない日にはただ意気消沈していただけではなかっただろうか。

そんなことを考えていたら、周囲の若さが急に怖くなった。

部活や恋愛や受験勉強に純粋に燃えていた10代の青くさい日々、厳しい職場環境の中でただ這い上がりたい一心で企画を考えたりコピーを書いたりしていた20代の泥だらけの日々。現状の仕事や生活に疑問が芽生え、自分の将来を真剣に考えていた30代前半の苦渋の日々。今のぼくは、何だ?

迷う必要などない。進むべき道はただひたすらの一本道のはずだ。たとえその道が、足が震えるほどのワインディング・ロードであったとしても。

夜毎、つのる想いに 胸を熱くした日々

もう一度、もう一度自分自身を見つめなおそう。僕の本当の人生は、始まったばかりだ。

チャーミングに、なりたい。

f:id:koichi_yamamiya:20150430183237j:plain

昨晩、某クライアント企業様の経営企画室長の方とジンギスカンをつつきながら、地元で飲んだ。前職の後輩でもあるその方は、実に爽やかな好青年で、僕が女だったら抱かれてもいいと思ってしまえるような体育会系の肉体とキュートな笑顔が魅力であり、「チャーミング」という言葉がそのまま当てはまるような男だ。

別に僕は男性に恋心を抱いてしまう側の人間ではないし、お客様だからと必死に持ち上げているわけでもない。素でそう思ったのだ。

チャーミングというのはその人が生まれ持った特別な才能のように思う。論理的な人賢い人おもろい人ドスケベな人など、ある理由において魅力的な人はたくさんいるが、「この人チャーミングだなぁ」と思える人は意外と少ない。

チャーミングを辞書で引くと、「魅力的で人のこころをひきつけるさま」などと記されており、曖昧だ。この曖昧なフィッーリングが心地よい。

で、そのチャーミング・マンから、「ブログ面白いっすね。よく見てますよ」と言葉を頂いた。ブログとはこのやがて哀しき独り言のこと。「なんで始めたんですか?」とも聞かれたので、ここにその理由を記しておきたい。

そもそもブログを始めようと思ったのは、一応僕もベンチャー企業の社長だし、IT系を中心にベンチャー社長がいろいろブログをやっているんだからと、根っからの面倒くさがり屋の自分を鍛えなおす意味も含めて始めてみた。

問題はその内容である。

いろんなベンチャー社長のブログを読んでみると、経営理念や人生哲学、最新のIT情報から新規ビジネス関連まで。つまり、経営者として実に立派なのである。

そういったことが書けない。僕には書けない。何も考えていないわけではないけれど、公表するほど立派なことを考えているわけでもない。

そこで、チャーミングである。チャーミングなことを書こう。ていうより、自分がチャーミングに見えるようなことを書こうと考えたのだ。なぜなら僕はせこい人間だから。

 

(で、ここからが本題なんだけど、)そういう経緯により、内容も曖昧だし薄味だし勉強にもならないし非論理的だしバカそうに見えるし小心者に見えるし性的不全に見える内容ばかりになるわけです。

アクセス数が1000件を突破し、見てくれている方もいらっしゃるわけで、その方がどう思っているのか怖いのです。きっと、曖昧だと思うだろうし薄味だと思うだろうし勉強にならないと思うだろうし非論理的だと思うだろうしバカと思うだろうし小心者だと思うだろうし性的不全と思うだろうと考えると、夜も寝られないのです。

だれか、チャーミングなブログですねと、お手紙ください。

それだけで、それだけで、僕は生きていけると思うのです。